平成18年 12月発行寺報より
總持寺の山は輝き太平の 海(うみ)映(は)えわたる みほとけの国
石川県輪島市にある大本山總持寺祖院で九月十二日から十五日にかけての太祖瑩山禅師(たいそけいざんぜんじ)・二祖峨山禅師(にそがさんぜんじ)の御征忌(ごしょうき)の焼香師を勤める為、参加して下さる五十名の方と一緒に十二日の朝六時に寺を出発して能登に向かいました。長い距離でも、皆疲れは見られませんでしたが、總持寺祖院が近づくにつれて緊張の面持ちでした。午後四時過ぎ到着。山門の前に立つと鶴見の總持寺とは又違った歴史の重みが感じられ、みほとけの国に来たという思いになります。諸堂拝観が終わる頃には「方丈さんきてよかったです」皆さまの顔には緊張感は解けていました。
薬石(夕食)は明るく気さくな板橋禅師さまを囲んでの大本山とは思えぬ立派なお膳に驚かされました。明日の式が早朝の為東光寺、妙全院、西光寺、林清寺各住職。川崎の宗三寺、広島県から宝福院各住職がかけつけて下さいました。
十三日四時振鈴(起床) 四時三十分 献粥諷経(けいしゅくふぎん=ご両尊にお粥をお供えする儀式)
本山で初の御詠歌お唱えの梅花講の皆さまは緊張の様子でしたが、皆清々しい顔で式に臨む私を出向かえて下さいました。
仏さましか上れない須弥檀(しゅみだん)に上っての儀式。晋山結制式に寺では上りましたが、広い大本山では勝手も違い緊張しました。無事この大役をお勤めできて安堵いたしました。
ご両尊にお供えした同じお粥の朝食をいただき、永平寺に向かいました。何時来ても永平寺の山や渓のせせらぎは、お釈迦様や道元禅師さまの声が聞こえるような、お姿が見えるような気持ちにさせてくれます。五月十四日に行われた晋山結制式無事円成のお礼参りも出来、参加者全員の祖先供養も出来、一同感激して永平寺を後にしました。
若輩の私がこの大役を引き受けて思うことは仏さまが、亡き先代方丈がこのご縁を導いて下さったことと謙虚に受け止め、これからも精進努力して行きたいと思っております。
ご参加して下さった皆さまの心からのご協力に深く感謝申し上げます。
合掌
住職 秋田文範